遺品整理で車が見つかったら|名義変更・廃車の手続きと注意点
遺品整理を進めていると、駐車場や車庫に故人名義の車が残っていることがあります。車は家具や日用品と違い、そのまま処分することはできず、まず名義変更(相続)や廃車の手続きを済ませる必要があります。ここでは一般的な流れを整理しますが、必要書類はケースによって異なるため、詳しくは運輸支局・軽自動車検査協会の窓口や専門家にご確認ください。
名義変更をしないまま放置するとどうなるか
車検証の所有者が亡くなった方のままでは、法律上は誰の車か宙に浮いた状態になり、売却も譲渡も廃車もできません。駐車場を借りている場合は契約者が亡くなった後も賃料が発生し続けますし、自動車税(種別割)は毎年4月1日時点の所有者に課税されるため、名義がそのままだと納税通知が届き続けることになります。「とりあえず車庫に置いたままにしている」というケースも珍しくありませんが、手続きを先延ばしにするほど書類集めの手間が増えることもあるため、遺品整理と並行して早めに着手しておくと安心です。
普通自動車の名義変更・廃車の流れと必要書類
普通自動車(登録自動車)の場合、所有者の変更があった日から15日以内に、車の使用の本拠地を管轄する運輸支局で移転登録(名義変更)または永久抹消登録(廃車)の申請を行うことになっています。一般的に必要とされる書類には、車検証、故人の死亡が確認できる戸籍謄本や法定相続情報一覧図、相続人全員の実印を押した遺産分割協議書と印鑑証明書、新しい所有者の車庫証明などがあります。車の査定額が100万円以下の場合は、相続人全員の遺産分割協議書に代えて、取得する相続人が単独で作成する「遺産分割協議成立申立書」で対応できる運輸支局もあるとされていますので、事前に窓口へ確認するとよいでしょう。
軽自動車は手続き先・必要書類が異なる
軽自動車の場合、手続き先は運輸支局ではなく、車の使用の本拠地を管轄する軽自動車検査協会になります。普通自動車と異なり、実印や印鑑証明書は不要で認印での手続きが可能とされ、遺産分割協議書や遺産分割協議成立申立書も原則不要で、車を引き継ぐ相続人が単独で名義変更の申請を行えるとされています。同じ「相続した車」でも、普通車と軽自動車で必要書類や手間がかなり異なるため、車検証で車の種別を確認したうえで、それぞれの窓口に問い合わせることをおすすめします。
保険・自動車税の扱い
車を廃車(永久抹消登録)にした場合、自賠責保険は解約手続きを行うことで残りの契約期間分が月割りで還付されるとされています(保険会社所定の計算方法によるため、単純な月割り額より少なくなることがあります)。一方、名義変更をして車を引き続き使う場合や、売却する場合は、自賠責保険の還付は発生せず、契約者名義の変更手続きが必要です。任意保険(自動車保険)についても、契約者・記名被保険者の変更または解約の手続きが必要になるため、契約している損害保険会社に早めに連絡しておくとよいでしょう。自動車税(種別割)は、廃車の場合は月割りで還付される一方、名義変更のみの場合は還付がなく、名義変更後の相続人に納税義務が引き継がれます。
遺品整理業者に相談できること
車の名義変更や廃車の手続き自体は運輸支局・軽自動車検査協会や行政書士などの専門家が窓口になりますが、遺品整理業者の中には、買取に対応できる車の査定や、廃車手続きの代行業者・買取業者への取り次ぎまで一緒に相談できるところもあります。荷物の整理と車の処分をまとめて進めたい場合は、見積もり時に「車の処分についても相談したい」と伝えておくと、対応可否や流れを確認しやすくなります。書類の準備に時間がかかることもあるため、遺品整理のスケジュールを組む際は、車の手続きも早めに並行して進めておくことをおすすめします。
お住まいの地域から遺品整理業者を比較できます
地域一覧から探す関連記事
遺品整理と相続手続きの関係|注意しておきたいポイント
遺品整理を進めるうえで、相続手続きとの関係で気をつけたいポイントを一般的な観点から整理しました。
賃貸物件で亡くなった場合の遺品整理|退去までにすべきこと
アパート・マンションなど賃貸物件で家族が亡くなった場合、遺品整理と退去手続きをどう進めればよいか、契約・原状回復・保証人まわりの注意点を整理しました。
遺品整理は自分でできる?自分で行う手順と粗大ごみ収集の活用法
業者に依頼せず自分で遺品整理を進める場合の向き・不向き、大まかな手順、自治体の粗大ごみ収集・持ち込みの使い方を整理しました。
遺品整理と合わせて済ませたい行政手続き・公共料金の解約チェックリスト
死亡届や年金・健康保険の手続きから、電気・ガス・水道・NHKなど公共料金の名義変更や解約まで、遺品整理と並行して進めておきたい手続きを整理しました。
遺品整理で日本刀・猟銃が見つかったら|届出・登録手続きと注意点
遺品の中から日本刀や猟銃が見つかった場合、無断で所持・処分すると銃刀法違反になることがあります。警察への届出や教育委員会への登録、相続時の手続きの流れを整理しました。